「ストレートネック」とは？

「ストレートネック」とは、頸部への負担が継続的にかかる事によって「頭痛」や定期的な「めまい」「肩こり」など、様々な症状を発症する慢性的な首の障害です。

　

神経系の圧迫により、様々な症状を発症する障害でもある為、自覚症状の見極めが非常に大切となります。

ストレートネックは、名前の由来通り、頚椎を守る首の骨が真っすぐな状態になってしまう障害です。

　

通常の「頚椎」は、衝撃を吸収出来る様に図の赤い線にある様に柔らかな湾曲構造となっています。

　しかし、「ストレートネック」の場合は、首の頚椎の湾曲が損なわれてしまうので、それによって様々な症状を発症するようになるのです。

　代表的な症状として、「肩こり」や「手の痺れ」更には「頭痛」など様々な症状を伴います。

　

この様に、ストレートネックは幾つかの症状を併発する事から軽視出来ない首の障害と言えます。

「ストレートネック」の発生原因

前かがみの姿勢を長時間求められる「デスクワーカー」に多く発症し、サラリーマンの大半がこのストレートネックの予備軍であると考えられています。

 

　現代は、スマートフォンやパソコンによる作業など、同一姿勢での長時間に渡る作業が多くなり「ストレートネック」を発症する方が急増しています。

　あなたもパソコン作業をしている際に、画面と長時間にらめっこしながら全く動かない同一姿勢を長時間保っていたような経験があるのではないでしょうか？

　経理の伝票入力や顧客の管理、営業連絡のメールのやりとりなども現在はパソコン無しでは仕事が成り立たない業種が大半となっています。

うつむき姿勢になる事が多い現代人は 

「 ストレートネック」になりやすい！

パソコンの普及に伴い、１日中パソコンのデスクと向き合うデスクワークのＯＬやサラリーマンが増えています。

　現在は、パソコンを使用しない仕事を見つける方が難しいと言える程に環境は変化してきました。

　このパソコンの画面は、一般的にノートパソコンであってもデスクトップであってもパソコンの画面は自分の目線よりも低い場所にあるのが通常です。

　実は、このパソコンの画面が、座った状態の視線よりも低い地点にある事が問題の要因として考えられています。

　これはどうしても前屈みの姿勢を長時間続ける事に繋がってくる為です。

　この前屈みの姿勢の継続は、骨格へ変形をもたらす可能性を持つストレートネック症状の発症の大きな要因の一つです。

　また、マウスを利用する利き腕側に傾きを生じやすい事もストレートネックの症状の特徴です。

　マウスは利き腕側で使用するのが通常なので、利き腕側は常に同一の動きを何度も何度も継続する事になります。

　

この左右の異なる姿勢の継続は筋肉や関節に「ねじれ」を発生させ、首の障害を誘発する原因にもなります。

　マウスは軽く、まさか人体に影響を与えるとは誰も思ってはいないと思います。

　しかし、これはマウスに限る話ではありませんが、「左右の緊張の度合い」や「使用頻度の違い」が長期的に継続されると、この様に人体に影響を与えていく事になります。

　もし、日常生活の中で思い当たる行動が見つかるようであれば、「左右のバランス」を意識して改善していく事も重要です。

 

スポーツ障害により起こる場合

 

• バレエやダンスなどによる姿勢矯正
• 格闘技（ボクシング、レスリング、柔道、総合格闘技　など）による頭部や首への衝撃、顎を引き背中を丸くした姿勢
• スキーやスノーボード転倒、車の衝突事故などによる「むち打ち」

 

加齢、老化によるもの

 

その他あまり知られていないタイプ

 

最近では、猫背・不良姿勢タイプのストレートネックばかりがマスコミやテレビで話題になっていますが、他にもさまざまなタイプがあります。

垂直型のストレートネック　～バレリーナ・ダンサータイプ～

 

実は一見、姿勢の良い人にも「ストレートネック」の人がいるんです。

バレリーナやダンス、アイススケートなど、過度に姿勢矯正をしている方です。

このタイプの人は、首だけでなく背骨全体がまっすぐ（ストレートバック）になる傾向にあり、顎は引けていて首が垂直に伸びています。

例えば「バレリーナ」の場合は、くるくる回転する動きがあります。

より効率的に回転する為には、回転軸はまっすぐの方が効率が良いので（ちょうどコマの軸のように）背骨の生理的弯曲（Ｓ字）から弯曲の少ない真っすぐな形へと変わっていきます。

首の骨（頚椎）も背骨の延長なので、首も真っすぐいわゆる「ストレートネック」になっていくのです。

 

背骨全体が真っすぐなので、見た目は姿勢が良く猫背ではありません。

 

また、生まれつきの体型で背骨の弯曲が少ない垂直型の方もいます。

 

骨盤・股関節タイプ

 

「骨盤」や「股関節」に歪みが発生している人の場合、それを補うために背骨全体のバランスが変わってきます。

骨盤の場合は、前傾が強かったり後傾が強かったり、また骨盤が前に出ているタイプの方です。

また、股関節の場合は「変形性股関節症」や「寛骨臼形成不全」の人がなりやすく、大腿骨と寛骨臼の接地面を多くしようとして骨盤が前傾します。

骨盤の前傾が起こると腰は「反り腰」になるので、それを補うために背中は後弯（猫背）しやすくなりその結果、頭が前へ突出してしまいます。

足タイプ

 

足の３大疾患には、「外反母趾・偏平足・足底筋膜炎」があります。

また、最近多いのは「浮き指」と言って足の指が地面に着かずに浮いているタイプです。一見、ストレートネックとは関係が無い様に思えますが、実はこれらは首のバランスを取るのと大きく関わりがあるのです。

 

綺麗な足の形があって綺麗な骨盤の傾斜が保てるからこそ綺麗な首の前弯が保てるのです。

「ストレートネック」の症状

ストレートネックの特に多い自覚症状として

　など、多様な症状が現れる事が「ストレートネック」の症状の特徴です。

　

また、無意識状態において「常に首が傾いた状態」になっている場合は、ストレートネックの可能性が非常に高いと言えます。

 

そしてストレートネックを発症すると、様々な首周りの障害が発症します。

 

　一般的には、「頭痛」などの症状を定期的に発症し始めるのが通常です。

 

　

この感覚は、個人個人にとって大きく異なり「半年ごと」など長期間に渡って自覚症状を継続的に確認するケースもあります。

 

　その為、発症直後の初期段階では、症状がたびたび治まってしまうケースも多くある事から、このストレートネック障害を発症している事を見極めるのは困難です。

 

　また、基本的な症状として見られる「頭痛」や「めまい」そして「肩こり」などの症状は、ストレートネック以外にも様々な障害の要因が考えられる症状でもあります。

 

　この様に、他の障害との関連性のある自覚症状を伴う点や、一時的に症状が改善する様に感じられる点が、この障害の見極めを難しいものにしている要因です。

めまいや肩こりは神経の圧迫が原因

 

「頭蓋骨」は想像以上に重たい部位です。

 

　もしも、頚椎がストレートネックによってクッション性を失った場合、歩行などの緩やかな動作であったとしても頭蓋骨の重さが常時、首まわりの筋肉組織に加わる事になります。

 

　この継続的な負荷は、首周りの筋肉や神経を徐々に圧迫していく事にもなるのです。

 

　この症状が、ストレートネック症状を発症するの最大の原因とも言えます。

『ストレートネック」でこんな自覚症状はありませんか？

以上のチェック項目のうち「３つ」以内の方は危険性が低い状態、もしくは「予備軍」です。

　「５つ」以内の方はストレートネック症を発症している可能性が高いと言えます。

　

「５つ以上」の方はストレートネック以外に、他の首の合併症も発症している可能性が考えられます。

 

ストレートネックは、基本的に長期間にわたって継続的に負担が加わった際に発症する障害です。

初期症状では「自覚症状」を感じにくい傾向にある為、症状の発見が遅れる傾向にあります。

これは、「偏頭痛」などが稀に発症してもすぐに痛みなどが治まるので、障害の可能性はないだろう…と症状を軽視してしまう事が多い為です。

　その為、ストレートネックの患者は、振り返ると、こんな症状があったな…と後でその予兆に気づくケースが大半です。

　

ストレートネックの予備軍の方は、今まで自覚症状を感じた覚えが無いか、一度自分でチェックしてみる事をお勧めします。

 

 

 

初期の場合や症状が軽い場合は、首・肩周囲のマッサージやストレッチ、温熱療法などで症状が改善する場合もありますが、ストレートネックは首だけの問題ではないので、なかなかそれらだけでは解決してくれない事が多くあります。

例えば、腹部内圧を高める筋肉である「インナーマッスル」の機能低下は頭部前方突出姿勢やストレートネックを助長します。

より根本的な解決をはかる為には、身体全体の骨格から改善する事が必要になります。

最後に

「ストレートネック」は、近年までそれほど有名な名称ではありませんでした。

　この要因としては、自覚症状などの診断基準がわかりにくい為、基本的に「肩こり」などと勘違いされていた点が多かった事が要因にあります。
　

ですから、病院ではじめて首の頚椎の変形による障害である事に気付くケースが大半です。

　しかし、近年はパソコンなどで長時間の同一姿勢でデスクワークを行うサラリーマンや主婦、そして学生が増えてきました。

　このパソコンの普及と比例して発症事例が多くなっている点も、ストレートネックの大きな特徴であり、現在では比較的広く認知される首の障害となりました。

　しかしそうは言っても、まだまだストレートネックに関する巷で流れているメディアやネットなどの情報は乏しいと言わざるおえません。

　「現代病」とも言えるこの疾患に悩む多くの発症患者が、より詳しい障害内容をわかりやすく把握出来る様に、記事をまとめてみました。
　
　当院サイトが「ストレートネック」にお悩みの方への参考となれば幸いです。

「ストレートネック」の体操・正しい姿勢・インナーマッスルを鍛える方法

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